7人に1人が「就活うつ」。付き合い方を教えられたブッダの言葉

現在、NPO法人POSSEの調査によると就活生の7人に1人が「就活うつ」だと言われています。

その「就活うつ」にならない様にするにはどうしたらいいか。
そして、「就活うつ」になった時、どの様に付き合っていけばいいのか、
お届けします。

そもそも「就活うつ」ってどういうもの?

就職活動に関連した精神的負担やストレスが原因となるうつ病の症状就活うつと呼びます。

厚生労働省によるうつ病の定義は以下の通りです。

「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」などと表現される症状を抑うつ気分といいます。抑うつ状態とは抑うつ気分が強い状態です。…このようなうつ状態がある程度以上、重症である時、うつ病と呼んでいます。

うつ病|疾患の詳細|専門的な情報|メンタルヘルス|厚生労働省

うつ病になると日常生活に影響を及ぼすほど思考力が低下し、長い間無気力な状態が続きますが、日本労働組合総連合会による就職活動に関する調査によると3人に1人の就活生が「自分は必要とされていないのではないか」と感じているといます。
苦しんでいるのはあなた1人だけではありません。

「就活うつ」になってしまうメカニズム

  1. 企業を受けても何度もESや面接で落ちてしまい、自分は社会に必要とされていないのではないかという自己否定の気持ちが渦巻く
  2. 本選考がなかなか通らない焦りと糸口が見えない不安から、頭の中でネガティブなイメージがどんどん反芻され、どうすればいいか分からなくなる
  3. 就活が怖くなり、もうダメかも……と弱気になり、ドーパミンやアドレナリン、セロトニンなどの元気の素になる脳内物質が足りなくなる
  4. このままでは親を心配させ、周りに取り残されてしまうというストレスがたまりすぎて爆発しそうになる
  5. すごく鬱々としてきて頭の中が不安でいっぱいになり、どこか闇を抱えている人に似てくる。

「就活うつ」の症状例

うつ病の症状としてこころの症状とからだの症状に大別されます。

1. 「就活うつ」のこころの症状について

① なにをしても楽しく感じられず、やる気が出てこない

心が正常に反応をしなくなり、本来であれば楽しかった事を楽しめなくなったり、好きだった事に対しても、やる気が出てこない事があります。

② 悪い方向に考えてしまう

いつもであれば気にしなかった事にも関わらず、自分の行為が悪い方向に行ってしまう様に思えてしまう事があります。また自分のせいでもないにも関わらず、全て自分が悪い様に考えてしまう事があります。責任感が強い方は特にこういった傾向が強くでる事があります。

③ イライラが収まらない

普段は気にもしなかった事が気になってイライラしたり、すべて人が悪いと考えてしまったり、自分の怒りの感情をコントロールできない事があります。

④ 自己否定

自分の存在を大事に思えなくなり、投げやりになったり、場合によっては死んでしまいたくなったりする事がります。

2. 「就活うつ」のからだの症状について

① 眠れない

うつ状態を中心にメンタルに不調をきたした場合、最初に体の注意信号は睡眠に出ます。眠ろうとしても嫌な事を思い出したり、嫌な夢を見て途中で目が冷めてしまったりと、しっかり睡眠ができない時は特に注意が必要です。
実際に心療内科に掛かった場合においても問診等で必ず「睡眠がとれていますか?」と聞かれます。

② 食欲不振

メンタル不調をきたすと食欲不振になる事もあります。本来であればお腹がすく時間でもまったく食欲が出てこない場合も多くあります。反対にイライラしてつい食べ過ぎてしまったりという場合もあります。

③ 倦怠感

うつ症状の方の半数程度の方がやる気の不調から体の倦怠感やだるさを症状としてあげます。気持ちはまだあるにも関わらず体が重く動けないなどの症状は発熱のであれば注意が必要です。

④ 動悸・息切れ・吐き気

ここまでいくと早急に受診を受けることが大切です、面接の前などのストレス因子があるものを考えたり、目の前にする事で動悸・息切れ・吐き気を催す場合があります。
この場合は確実にからだが注意信号を発しています。

⑤ 胃痛・下痢

面接前などの緊張をするタイミングに急に下痢の症状が出たり、胃痛になったりと消化器系が反応する場合もあります。

「就活うつ」になりやすい人の特徴とは

うつ病は現在働いている人を含めて誰がなってもおかしくはありません。うつ病になりやすい人には大きく4つの傾向があると考えられます。

①責任感・正義感が強い人
目標をもって就職活動に取り組み、自分でも企業の研究などしっかり行い、部活やサークルでも部長などを担った様な方が就活において上手く進まない場合にうつ病になりやすいといわれます。自分のもっている理想像やあるべき姿とのギャップを埋められない事に自分でも諦める事ができないのでしょう。

②生真面目な人
授業の休まず、成績も優秀、コツコツと色々な事に取り組んできたにも関わらず、就活になったら、「なぜか内定がもらえない・面接が通過しない・・・」と自分でも納得できず、そんな自分が許せない人があります。また、生真面目な方は努力と結果が比例すると考えがちですが、残念ながら社会は理不尽な事が多分に起こり得る世界です。

③感情表現が苦手な人
嫌な事があった場合には仲間に愚痴を言ったり、泣いたりして自分の心を一旦リセットできます。しかしながら、人によっては喜怒哀楽を自分の心の中に留めてしまって消化する事が苦手な人がいます。その為、ネガティブの事が心の中に蓄積されていってしまい、結果的にうつ病という形で噴出してしまう場合も見受けられます。

④ 周囲の評価が気になってしまう
優秀な大学に在籍し、友達からの信頼も厚い・・・そういった人は気づかぬうちにそれが自分のあるべき姿と刷り込まれている可能性があります。
そうすると、期待にそう人間にならねばならないと、他人の目を気にします。
確かに人は周囲の評価は大事です。
社会人になれば尚更です。社会人になれば評価をするのは上司、顧客となります。周囲の評価は逃げる事ができません。しかし、周りの目に囚われて結果的にメンタル不調になってしまっては元も子もありません。

現実的にはうつ病になる方はこれらの特徴をもっている方には限られませんが、複合的に上記の様な要素を持っている人がメンタル不調になる事が多いと思います。

「就活うつ」診断テスト

就活うつ病の診断チェックリストです。
以下の項目の半分以上(10個以上)当てはまったらうつ病の可能性があります。
すぐに専門医の診断をうけるなどの対処をしましょう。

当てはまる項目の数を数えてみましょう。

  1. 最近身体がだるくて疲れやすい
  2. 最近朝起きるのがつらい
  3. 最近落ち着きがない
  4. 最近課題に集中できない
  5. 最近決断がすぐにできない
  6. 最近首筋や肩こりがひどい
  7. 最近頭痛がひどい
  8. 最近よく眠れない / 眠りすぎ
  9. 最近食欲が低下した / 食欲が増えた
  10. 最近食事の味がしない
  11. 最近意味もなく涙が出る
  12. 最近何をするにも意欲がわかない
  13. 最近気分の落ち込みが続いている
  14. 最近死にたいと思うようになった
  15. 最近自分を責めることが増えた
  16. 最近常に不安や焦りを感じる
  17. 最近楽しいと思うことがない
  18. 最近人生が楽しいと感じない
  19. 最近自分が無価値だと思う
  20. 最近意味もなく悲しくなる

「就活うつ」の原因

就活に起因するストレスによって、気を病むことが就活うつの原因になります。例として以下のような事柄が原因と考えられます。

  • なぜ上手くいかないかという答えの出ない自問自答による精神的疲弊
  • 選考に落ちることによって自分に価値が無いと感じる無力感
  • 周りが上手くいっている(ように見える)という劣等感
  • タイトな選考スケジュールによる精神的・肉体的疲労
  • 履歴書、エントリーシートが上手く書けないイライラ
  • 一人で就職活動に集中することで感じる孤独感
  • 不合格通知を受け取ったときの悲しみ
  • やりたいことが見つからない虚無感
  • 選考に通らないモヤモヤ
  • 内定が取れない焦り
  • 面接での緊張感

「就活うつ」の予防法

予防法①:就活から一旦離れる
就活うつの兆候がみられたら、ストレス原因である就活から一旦離れましょう。就活真っ只中であれば就活から離れることに抵抗があるかもしれません。

ですがうつ病への対処として最も大切なのはストレス原因から離れ、休むことです。早い段階で就活をストップすることは、長い目で見ると早く就活に復帰できる近道です。

予防法②:何もせず休む
就活を一旦辞めたら、そのあとは何も考えず心のままに休みましょう。身体がだるいと感じたら一日中眠るのもいいでしょう。

なにかをやらなくてはいけない、という気持ちを捨てやりたいことだけをやって気が済むまで休んでください。なにもせずに休んでいるとしばらくすると何かをやりたくなってきます。

心の底からなにかをやりたいと感じてきたら、復帰のタイミングです。無理をせず少しずつ就活を再開してみましょう。

休む際に間違えてはいけないのは、休むということは家で横になるということだけではありません。休むとはリラックスすることをさしています。

もし、遊びに行きたいと思ったのなら好きなだけ遊びましょう。それも立派なうつ病の予防になります。

予防法③:ストレス発散する
ストレスはうつ病を発症する大きな要因です。うつ病の兆候がみられたらストレス発散に努めましょう

うつ病になりやすい人の特徴としてストレス発散があまり上手くない、と前述しました。自分の弱いところを人に見せたくなかったり、人に頼るのが苦手な人ほどストレスを溜め込みやすく、精神を病む傾向が高いと言えます。

もし自分がストレス発散が苦手だと思うのであれば家族や友達に協力してもらうのも手です。家族や友達と一緒にテーマパークやカラオケなどで遊んで、はしゃいで、好きなことをして思いっきりストレスを発散しましょう。

「就活うつ」になってしまったら

うつ病は必ずしも自覚症状があるものではありません。その為、うつ病になったという事自体に気づかない事もあります。前述の様な症状が出た場合には以下の5点の対応を行ってみてください。

1. 病院を受診する
「眠れない」「食欲がわかない」「吐き気がする」などの症状が出たら迷わず心療内科を受診してください。うつ病は病気です。適切な治療、休養で直す事ができるものです。実際に睡眠であれば睡眠薬を処方してもらう事で症状が軽減されますし、抗うつ剤で気持ちの問題も軽減されます。自分の考え方で楽になる部分も少なくはありませんが、症状が悪化してしまった場合は脳も体も悪化している状態ですので、心療内科での適切な治療が一番重要になってきます。

2.カウンセラーに相談する
医師はうつ症状を治療、和らげる対応を中心に行いますが、自分の考え方、意識までを長時間相談に乗ってくれるわけではありません。
病院にはカウンセラーを併設して事が多く、専門に相談に乗ってくれます。そして、自分を追い詰めている考え方や問題を一緒に解決してくれるパートナーにもなってくれます。

3.しっかりと休む
うつ病になった場合は迷わず就活を休んでください。確かに就活は限られた時間で内定を取らないといけないのは事実ですが、自分の心身を犠牲にしてまで入社をするべき価値のある企業は存在しません。まずは2週間や1か月でもしっかりと休む事が重要です。

4.親に相談する
親に今の自分の気持ち、状況をしっかり伝える事も大切です。親は一番の理解者です。その一方で社会の厳しさ、理不尽さも十分にしっている先輩でもあります。親に自分の状況を理解して回復の手助けをしてもらうのは一番大切な事かも知れません。

5.気持ちの切り替え
就職活動は不平等なものです。体調を崩した時に、再度その前提を思い出してください。「友達は内定を複数持っている」、「面接が通過しない」・・・就活中は悩みの連続です。しかしながら、根本は自分の努力だけではどうにもならない部分も沢山あります。つまり、そこで悩んでも結果的には解決はしない事ばかりなのです。お祈りメールが来たら気持ちを切り替えて次に向かう事が重要です。

就活は色々な企業、人に会える人生の中でも限られた機会です。できる限りポジティブに捉えて進んでいって欲しいとは思いますが、うつ病になり体調を崩してまで努力をするものではありません。就活はゴールではありません。社会人は働いてからがスタートです。改めてその部分を意識して就活にあたってください。

「就活うつ」との付き合い方

「自分の存在価値を感じられない」、「人と比べて自分はダメだ」、「みんな頑張っているんだから、自分も頑張らないと」という様な思いから、「就活うつ」になってしまう人は少なくありません。
実はこれらの悩みは、今にはじまったことではなく、昔から誰しもが抱えている悩み、不安でした。
それに対して、ブッダは次の様に教えられています。

「自分の存在価値を感じられない」人へ

天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)

と言われています。
一般的には、「宇宙で一番俺が偉い」という意味で、理解されていますが、それは間違えです。
唯我独尊の「我」とは、我々人間のことです。
我々には果たさなければならない大切な目的が1人1人にあるのだよ、だから、価値のない人間なんていないのだと教えられています。

「人と比べて自分はダメだ」と思う人へ

青き色には青き光、黄なる色には黄なる光、赤き色には赤き光、白き色には白き光あり。

人にはそれぞれの個性があり、強みがあります。就活というものは、人間のすべての部分を見るわけではありません。ですから、なかなか内定をもらえないこともありますが、決して良いところが無いわけではありません。

「みんな頑張っているんだから、自分も頑張らないと」と思う人へ

琴の糸のように張るべき時は張り、緩むべき時は緩めねばならぬ。精進も度がすぎると後悔する。怠けると煩悩がおきる。中道を選ぶが良い

努力すること、頑張ることは大切なことですが、度がすぎるのもよくありません。楽器が綺麗な音を奏でるのは、ちょうどよい緊張のためです。ですから、あまり根を詰めすぎないことも大切な生き方です。